会社の住所の決め方のポイントとは?

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銀座起業コンシェルジュの若林圭子です。

株式会社や合同会社を設立する際、必ず決めなければいけない項目の一つに、
「本店所在地」があります。

会社の「本店所在地」とは、
人に例えると、住民票に記載される住所です。

簡単に言うと、「会社の本店が所在する場所」、
つまり、「本社の住所」です。

初期費用や毎月のコストが安いというメリットがあり、
今人気のレンタルオフィスやバーチャルオフィスなども、
登記可能なところなら、本店所在地にすることができます。

このように、本店所在地をどこにするかについては、
会社法上、特に制限はありません。

したがって、自宅や賃貸物件、レンタルオフィス等、
日本国内であればどこにでも置くことは可能です。

しかし、置く場所によって、注意するポイントがそれぞれあります。

「一体自分はどこに本店所在地を置けばいいの?」
とのお声が聞こえてきそうですね。

それでは、本店所在地を決める際のポイントを
一つ一つみていきましょう。

ポイント1 自宅を本店所在地にする場合に注意すること!
自宅を本店所在地にする場合、気を付けなければならないことがあります。

例えば、自宅が賃貸のマンションやアパートの場合、
賃貸借契約の際に、「法人不可」となっていないかどうかの確認が必要です。

なぜなら「法人不可」となっている場合が結構多いからです。

その場合、賃貸借契約上は法人登記を行うことができません。

「自宅だから問題ないだろう・・・」
と思わずに、自宅が賃貸の場合で、そこを本店所在地にしようと考えた際、
賃貸借契約書の中身を一度確認してみてくださいね。

賃貸借契約書を確認せず、本店所在地を賃貸の自宅に置いて会社設立した後、
大家さんに「法人不可」と言われ、本店所在地の変更をしなければならない、
最悪の場合は、契約違反でその賃貸マンションやアパートを出なければならない、
ということにならないよう、事前に確認することが重要です。

本店所在地を自宅にしたいと考えている場合、
事前に大家さんに確認し了承をとっておくか、
賃貸借契約書の中身をしっかりと確認することが大変重要です。

ポイント2 賃貸物件を借りて本店所在地にする場合に注意すること!
いわゆる貸事務所ではなく、マンション・アパート・一戸建て等の居住用物件を借りて
本店所在地にしたいと思った際にも、
自宅を賃貸している場合と同様、事前の確認が大切です。

物件によっては、会社の事務所としての使用を認めていない場合があるからです。

したがって、「会社を新しく設立する目的でこちらを借りたいです」
と事前に了承を取ったうえで契約をすることが重要です。

なぜなら、きちんと確認して了承を取らないで契約してしまうと後々、
目的外使用とされて賃貸借契約を解除され、出ていかなければならない、
ということにもなりかねないので、特に注意が必要です。

ポイント3 バーチャルオフィス等を本店所在地にする場合に注意すること!
レンタルオフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスを
本店所在地にする方も、最近大変多くなってきています。

オフィスを賃貸借契約で借りるより、
低いイニシャルコストで借りることができるのがメリットですが、
まずそのオフィスが法人登記可能かどうか、事前に確認しておきましょう。

運営会社によっては「法人登記不可」というところもありますので
注意が必要です。

また、レンタルオフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスの場合、
会社が実在するかが不明確と判断され、実態のない会社と思われがちです。

そして、オレオレ詐欺等の振り込め詐欺犯罪防止の観点から、
大手メガバンク等の銀行口座の開設が難しくなってきているのが現状です。

本店所在地をレンタルオフィス等にしようと考えた際、
自分がどこの金融機関で法人の口座開設をしたいか決まったら、
その希望する金融機関に事前に確認することをおすすめします。

その際、法人口座開設のために何度も金融機関に足を運ばなくてもいいように、
必要書類についても何が必要か事前に確認しましょう。

※法人口座を開設する際の参考にしてください。
(以前の記事→法人口座を開設する際の落とし穴とは?

ポイント4 ビル名や建物名、部屋番号などは記載しないで登記できる!
ビル名や建物名、部屋番号などを記載しなくても登記することができます。

例えば、東京都中央区銀座1丁目1番1号銀座ビル101に本店所在地を置く場合、
東京都中央区銀座1丁目1番1号までの記載で、「銀座ビル101」を省いても登記はできます。

また、東京都中央区銀座1丁目1番1号銀座ビル1階などの記載のように、
「銀座ビル1階」までとすることもできます。

もちろんビル名や建物名、部屋番号を記載される方もいますが、
部屋番号が細かく分かれているレンタルオフィスやバーチャルオフィス等を
本店にする場合、細かい部屋番号は記載しないで登記する場合も多いです。

ポイント5 定款に記載する本店所在地の書き方を決める!
本店所在地は定款に必ず記載する事項の一つです。

一般的に、本店所在地を定款に記載する場合は、
以下の2つの書き方があります。

①最少行政区の記載にしておく(例:東京都中央区)
②具体的な番地まで記載しておく(例:東京都中央区銀座1丁目1番1号)

定款に記載する際、①の「最少行政区の記載」までにしておくことで、
設立後の会社移転の際に市区町村が変更にならなければ、
定款の変更(書き換え)が必要ありません。
(定款の変更は専門家に依頼すると費用がかかります。)

また、定款の変更の手続きは、手間がかかるので、
一般的には①の「最少行政区の記載」までにしておくことが多いです。

いかがでしたか?

ここまで、会社の住所の決め方のポイントについてお話ししてきました。

会社の住所をどこに置くかは、会社法上制限がないからこそ、
上記にあげたポイントをよく確認しながら、
自分に最適な本店所在地を決めてくださいね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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