銀座起業コンシェルジュの若林圭子です。
今回は、友人と二人で株式会社を作ってビジネスをしようとした場合、
非常によくおこりがちな話をしたいと思います。
友人と株式会社を作ってビジネスを始めようと考えている方は、
特に注意して読んでいただけたらと思います。
では、具体的な事例にあてはめてみていきましょう。
一緒に会社をやろうと言い、
この会社の役員になり、資本金の半分を出した友人を「Aさん」としましょう
そして、「自分」という登場人物がいるとしましょう。
さて、会社を一緒に設立しようと3ヶ月前から、
自分とAさんで話し合っていたとします。
そして、自分も半分資本金を出し、
Aさんが代表取締役ということで、スタートしようと決めました。
株式会社の設立手続きは、専門家に依頼しないで、
自分たちでやったとします。
そして、株式会社を設立する際に、必ず決めなければいけない項目も決め、
定款を作成し、公証役場で定款認証も終え、登記申請書類を作成し、
法務局へ登記申請したとします。
そして、あとは、登記申請してから1週間後の
法務局での登記完了予定日を待つだけになったとします。
登記完了したら、印鑑カードを作成し、
履歴事項全部証明書と印鑑証明書を取得する予定・・・
と順調にきていたとします。
しかし、ここで突然、Aさんが
「私、やっぱり代表取締役と発起人を辞めたいのですが・・・」
と言ってきたとします。
ここでとは、どの時点のことかというと、
【法務局へ登記申請して、登記完了予定日を待つまでの間】です。
「えっ??
法務局へ登記申請した後に、いきなりAさんが代表取締役と発起人を
辞めるって言い出しましたけど、じゃこの場合どうすればいいのですか?」
との、皆さんのお声が聞こえてきそうですね。
それでは、この場合は、どうすればいいのかを考えていきましょう。
と、その前に、株式会社の登記申請をして、
無事に登記が完了した後に、Aさんが代表取締役を辞めたいと言った場合は、
役員の変更登記というものをすればすみます。
また、会社設立後に株主(発起人)を辞めたいと言った場合は、
例えば株式譲渡するなどして対応することができます。
しかし、この場合は、
【法務局へ登記申請して、登記完了予定日を待つまでの間】です。
この場合は、「取下書」というものを記載して、
登記の申請を取り下げます。
では、登記申請を取り下げた場合、
登記申請書に貼った15万円分の印紙はどうなるのか?というと、
再使用できます。
「取下書」と一緒に「再使用証明申出書」というものを提出すれば、
15万円分の印紙は再使用できます。
例えば、申請を取り下げて、1ヶ月後に
新しく資本金を半分出してくれて代表取締役にもなってくれる人が決まったので、
また再度株式会社の登記申請をしようとした際には、
それを使用することができます。
また、再使用する予定がない場合、印紙代の15万円は戻ってこないのか?
というとそういうわけではありません。
納税地の所轄税務署長に還付通知することにより、
後日還付されますので、ご安心ください。
このように、一人ではなく、誰かと一緒に会社を始めようとする際は、
色々なことが起こる可能性があります。
何も起こらず、株式会社の設立手続きがスムーズにいけば、
それにこしたことはありませんが、そうとも限りません。
しかし、何がおこっても、まずは慌てずに、
状況を把握してみましょう。
今回の事例のように、どの時点のどのタイミングで辞めると言われたかで、
手続きは大きく変わります。
まずは、冷静に状況を把握して、
次に、どのような手続きで対応できるのかを考えましょう。
予想もしなかった何かが起きた時こそ、物事をじっくり見極め、
より適切な対処法を見つけることが重要です。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。