設立2週間で、なぜ会社の住所変更をすることになったのか?

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銀座起業コンシェルジュの若林圭子です。

先日、このような話を、起業家である私の知人から聞きました。

「実は、僕の知り合いの社長さんの会社の話なのだけど、
会社を設立してから2週間しか経っていないのに、
会社の住所を変更したい、と相談されたんだ・・・」と。

この起業家である私の知人をここではAさんとしましょう。

そして、Aさんの知り合いの社長さんをBさんとしましょう。

私はこのAさんの話をうなずきながら聞いていました。

その話を要約すると、
「Bさんはレンタルオフィスを会社の住所(本店所在地)にして
株式会社を設立したが、どうやらそのレンタルオフィスを借りている他の方々の
マナーがよくないので、仕事どころではない。
だから解約して違う場所に会社の住所を移したい。」
ということでした。

これをBさんはAさんに相談したということなのです。

独立起業し、オーナー兼代表取締役の一人株式会社を設立したという点で、
共通点もありご相談したようです。

以前の記事にも書きましたが、会社の住所(本店所在地)は、
会社を設立する際、必ず決めなければならない事項の一つです。

そして、いくつかのポイントをきちんと理解し、それを踏まえて、
自分に合った場所を会社の住所にすることが必要です。

(詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください。
以前の記事→「会社の住所の決め方のポイントとは?」)

先ほどの要約した話を少しかみくだいて説明すると、
Bさんが借りたレンタルオフィスは、月1万5千円を払えば、
朝7時から夜22時まで、365日いつ行っても自由に利用できるそうなのです。

もちろん、席が決まっていないフリースペースでの利用ですが、
月額1万5千円で、都内の一等地に会社の本店所在地として登記でき、
365日いつでも利用できるとなれば、初期費用もランニングコストも少なくて済むし、
メリットが大きいですよね。

しかし、そこには管理人さんや受付の方が誰もいなく、
鍵が渡されてその鍵を持っている会員さんだけが
そのフロアにいる状態なのだそうです。

なので、Bさんいわく、管理人さんや受付の方がいないので、
利用規約を守らない方が多いということらしいのです。

例えば、以下のようなことがあったそうです。

・フリーススペースでの飲食は禁止とあるのに、
朝からハンバーガーやインスタントラーメンを買ってきて食べている方がいて、
部屋中に、においが充満している。

・フリースペースでの打ち合わせは禁止とあるのに、
スカイプ等を利用して大きな声で何時間も打ち合わせをしている方がいて、
仕事に集中できない。

などと、利用規約を守らず、自由にやっている方が非常に多く、
Bさんが自分の仕事をやるのには適した環境ではなかったようなのです。

そこで、そのレンタルオフィスの運営会社に電話やメールで、
このような状況を伝え、改善してほしいと連絡したそうなのです。

しかし、電話でもメールでも「きちんと対応します」というものの、
何日経っても改善される様子がなかったそうなのです。

さらに、その運営会社が現地調査にくるようなことも一切なかったので、
「これはもうだめだ・・・ここはまともに仕事ができる環境ではない・・・」
と判断し、結局本店所在地を移転して、レンタルオフィスとの契約を解除し、
仕事環境を変えたいと考えたそうなのです。

これが、BさんがAさんに相談した内容ですが、
皆さんはこれを読んでどう思いましたか?

私はこの話を聞き終わった後、ある一つのポイントがあるなと思いました。

それは、
「レンタルオフィスを借りる際に、何度も見学しに行ったのか?」
ということです。

ここで重要なのは、「何度も」ということです。

「何度も」とは、平日や週末などの曜日ごとに、
さらには午前中や午後、夕方や夜と時間帯ごとに、ということです。

レンタルオフィスは、借りるのに一定の審査がありますが、
その審査さえクリアできる方であれば、誰でも利用できます。

そこには、午前中だけ利用する人もいれば、金土日の週末だけ利用する人もいます。

また、週に1回しか利用しない人もいれば、毎日利用する人もいます。

利用者のビジネスも様々で皆さんそれぞれ違います。

さらに、管理人や受付がいるところもあればいないところもあり、
たとえいたとしても、いる時間も様々です。

だからこそ、何度も見学して、どの時間はどんな雰囲気で、
どの曜日はこのような方が利用しているのか、
などを様々な視点で確認することが重要なのです。

例えば、マイホームを購入しようと考えた場合、
すでにその建物ができている状態なら、何度も何度も内覧し
時間帯や曜日を変えてみにいったりしますよね。

多くの人は、家の購入は一生に一度の大きな買い物です。

だからこそ、一生住む家なので、後悔したくないと思い、
周りの環境はどうか?駅から近いか?どんな方が住んでいる地域か?
日当たりはどうか?騒音はないか?などなど、様々な視点や角度からじっくり検討しますよね。

レンタルオフィスを借りる場合も、これと同じだと言っても過言ではありません。

「レンタルオフィスを借りる場合は、一生に一度のマイホームの購入とは違って、
そんなに大げさに考える必要はないのでは?」
とのお声も聞こえてきそうですね。

いえ、そんなことはありません。
「こんなはずではなかった・・・」と後悔しないという点では、一緒です。

さらに、本店所在地をレンタルオフィスで登記した場合、
そこが会社の住所になります。

会社の住所をどこに置くかによって、
融資が受けにくくなったり、取引できなかったり、許認可が取得できなかったり・・・
と色々なことを制限されてしまうこともあります。

だからこそ、ビジネスプランから逆算して、
最初にきちんと考えることが重要なのです。

マイホーム購入も同じではないでしょうか?

将来のライフプランから逆算して考えますよね。

例えば、子どもが生まれて、幼稚園や小学校は近くにあるのか?
通勤・通学のために、駅への距離はどれくらいか?
年を取ってきた時に、歩いて行ける範囲にスーパーやコンビニはあるのか?
などなど、今後のライフプランを考えたうえで、購入を検討しますよね。

だからこそ、後悔しないためにも、
レンタルオフィスを本店所在地にしようと考えた場合は、
何度も何度も見学に行くことが重要なのです。

ちなみに、Bさんは1回の見学だけで決めてしまったそうです。

最後に、レンタルオフィスやシェアオフィス、バーチャルオフィスなど、
最近では大変人気があり、都内では色々な場所にあります。

初期費用やランニングコストが削減できるメリットがある等、
利用する方のビジネススタイル・ビジネスプランに応じて利用できます。

したがって、そのメリット・デメリットをよく理解したうえで、
レンタルオフィス等を選んで、上手に利用している方も多いです。

さらに、レンタルオフィスやシェアオフィスなどでも、
きちんと運営させている素晴らしい環境のところも多いです。

したがって、本店所在地をレンタルオフィスにしようと考えた際、
何度も何度も、自分の目でみて、足で歩いて、
様々な視点や角度から確認してみてくださいね。

そして、後悔することなく、いいビジネスのスタートが切れるように
どこを本店所在地にするか決めてください。

その決め方ひとつで、その後のビジネスに大きな影響を与える可能性がある、
ということを頭に入れておいてくださいね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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