株式会社と合同会社を設立する際のポイントとは?

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銀座起業コンシェルジュの若林圭子です。

前回は、株式会社と合同会社の違いについてお話ししました。

そして、株式会社と合同会社の違いは
大きく6つあるということをお伝えしました。

さらに、違いと共通点を理解して、
株式会社と合同会社のどちらを設立するのがよいかを考えることが
大変重要だということもお伝えしました。

そこで、今回はまず株式会社と合同会社の共通点について
お話ししていきたいと思います。

株式会社と合同会社の主な共通点は、以下の5つです。

1.資本金は1円で設立できる!

平成18年(2006年)5月に施行された新会社法によって、
資本金が1円でも株式会社は設立できるようになりました。

そして、合同会社も株式会社と同様に、資本金1円でも設立できます。

ですので、株式会社も合同会社も
現在は資本金1円でも設立できるという点は同じです。

2.節税面でのメリットは同じ!

たまに、「合同会社を設立しても株式会社を設立した場合より
節税効果は得られないのですよね?」
と聞かれることがあります。

株式会社も合同会社も法人なので、
個人事業主と比べて税制面での受けられるメリットに違いはありません。

合同会社も株式会社と同じように節税効果を得ることができます。

3.出資者の数は1名以上!

株式会社の場合も合同会社の場合も、
出資する人は、1人いれば設立できます。

したがって、株式会社を設立する際、出資する発起人の数は1人以上、
合同会社を設立する際、出資する社員(合同会社では、出資する人のことを社員といいます)
の数は1人以上で、同じです。

4.役員の数は1名以上!

株式会社の場合も合同会社の場合も、
役員は1名から設立できます。

したがって、株式会社の場合は、取締役が1名いれば設立でき、
合同会社の場合は、社員(出資者)が1名いれば設立できます。

5.どちらも有限責任!

株式会社と合同会社はどちらも有限責任です。

では、有限責任とは何か?というと、
出資者(有限責任社員)は、出資した金額の範囲内で責任を負う
ということです。

例えば、Aさんが70万円、Bさんが30万円出資して、
資本金100万円の株式会社を設立したとします。

そして、その会社が3000万円の負債を抱えて倒産してしまったとします。

しかし、株式会社は有限責任なので、
AさんはAさんの出資分70万円、BさんはBさんの出資分30万円のみ、
責任を負えばいいということになります。

つまり、Aさんは出資した70万円、Bさんは出資した30万円が
返ってこないということになります。

有限責任は、出資した金額以上の責任は負わなくてもいいということですが、
この有限責任は合同会社も同じです。

したがって、株式会社も合同会社も有限責任という点では同じです。

さて、ここまで共通点を5つお伝えしましたが、
いかがでしたか?

共通点も結構ありますよね。

前回と今回で違いと共通点についてそれぞれお話ししてきましたが、
では、一体株式会社と合同会社のどちらを設立すればいいのか?
ということについて考えてみましょう。

株式会社を設立するのか、合同会社を設立するのかの選択にあたっては、
お客様の業種や事業規模、資金繰りなど、
将来にわたるお客様のビジネスプランを考えたうえで決めます。

前回みたように、合同会社の設立費用は、
株式会社の設立費用に比べて、大変抑えられます。

しかし、会社を設立しようと考えた場合、
株式会社と合同会社では、株式会社を選ぶ方が多いです。

それはなぜかというと、
やはり合同会社は現在の日本では、あまり知られていません。

素晴らしい実績のある合同会社もありますが、知名度が低いのが現状です。

そして、それに関連して信用度や融資の面においても、
株式会社を設立した場合の方が有利といえます。

なので、取引先との関係で会社としての信用度を重視する場合や、
融資を受ける予定がある場合には、株式会社を選択される
という場合が多いでしょう。

「では、このように株式会社を設立する場合が現状として多い中で、
合同会社を選択するのはどのような場合ですか?」
とのお声が聞こえてきそうですね。

私がこれまで合同会社の設立サポートのご依頼を受け、
合同会社を選択したお客様の例を以下にあげましたので、
選択する際のポイントとしてご参考にしてください。

①設立費用は抑えたいが、とにかく法人をつくりたい方
②許認可を取るために、法人格が必要で、短期間で会社設立したい方
③代表取締役という肩書にこだわらない方(合同会社の代表者は
【代表社員】となるため)
④飲食店や美容室など、店舗を拠点として一般のお客様を相手に
商売する場合で、会社名を前面に出さずに商売される方
⑤今後会社をあまり大きくしていくつもりが無く、スモールビジネスをお考えの方
⑥不動産管理会社等、節税重視のために会社をつくろうとお考えの方

ここまで、株式会社設立と合同会社設立の際の選択のポイントについて、
お話ししてきましたが、いかがでしたか?

「自分は株式会社と合同会社、どちらを設立すればいいのか?」
ということを考える際、株式会社と合同会社の違いと共通点を
十分にふまえて、検討してみてくださいね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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